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005【龍馬の入門】     ◆龍馬と慎太郎のパソコン習得秘帖◆ [龍馬が来る]

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翌日のこと、武智半平太の屋敷

富(半平太の妻) 「旦那様、さっきオットメさんから電話があって、今日龍馬さんが来るきよろしゅうとのことです。」
武智 「おー、龍馬が来るか。オットメさんが龍馬にもパソコンをやらしたいき教えちゃってくれえ言よったけんど、龍馬もようよパソコンをやる気になったかよ。」
富 「そらあ、オットメさんに言われたら龍馬さんも断れんでしょう。」
武 「そうやのう、龍馬はオットメさんには頭が上がらんきのう。」

しばらくして龍馬がやって来る

龍 「武智さん、お帰りなさい。」
武 「おー龍馬、久しぶりやのう。一杯やるかえ」
龍 「いえ、今日はお願いがあって来ました。」
武 「何ぜよ、えらい改まって。」
龍 「武智さん、わしにパソコンを教えてつかあさい。」
武 「そらかまんけんど、何で急にパソコンをやる気になったがぜよ。」
龍 「ねえやんが、これからの時代は何をするにしてもパソコンが必要になるき今のうちに勉強しちょけ言うがです。」
武 「そうかえ、オットメさんはよう先が見えちゅうのう。それでいつから始めるぜよ。」
龍 「明日からでもかまいませんろうか。」
武 「えいぜよ。何じゃったら今日からでもかまんぜよ。」
龍 「ありがとうございます。けんど今日はお礼の用意もしちょりませんき、明日からお願いします。」
武 「何ぜよお礼じゃ言うて、おまんとわしの仲じゃないかえ、水くさいこと言いなや。」
龍 「いえ、それはいきません。人に教えてもらうに無料(ただ)いうわけにはいきませんき、ちゃんと取ってください。」
武 「えいわえ、商売やったら品物を仕入れないかんけんど、教えるだけやったらなんちゃあ減りゃあせんき気にしなや。」
龍 「品物は仕入れんでもこれまで勉強するには本も一杯買(こ)うちゅうやないですか。江戸へ勉強に行くだけでも大きな物いりやったがでしょう。それにちゃんとお礼を取ってもらわんとねえやんに怒られますきに。」
武 「そうかえ、そんなに言うがやったら1回千円貰おうかの。」
龍 「そら安すぎます。大学生の家庭教師でも時給はもっともっと高いと聞いています。ピアノでも習いに行ったら30分で5千円いうても驚きません。」
武 「そうかえ、それやったら2千円貰おうか。」
龍 「それでも安いですき、せめて3千円にしてください。」
武 「まあ待ちや,ちっくと考えさせや。」

こうして謝礼は曖昧なうちに決まったようである。


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              超変無時代物語
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